- 家族や自分がカルチノイドと診断された
- カルチノイドを知りたい
- 診断から手術、6年後までの体験談を知りたい
私が6年前に診断された病気です。このブログで同じ病気の方が少しでも安心していただければ幸いです。
カルチノイドを10秒で簡単解説
カルチノイドを詳しく解説
どんな病気?
カルチ「癌」ノイド「類」で「がんもどき」と呼ばれ、癌と似ている病気です。「カルチノイド」「神経内分泌腫瘍」と呼ばれます。10万人あたり2人という非常に稀な病気です。(全悪性腫瘍の0.5%)癌と似ているため、同じ治療を行いますが、稀な病気のため専門病院が少ないのが現状です。カルチノイドは、人種間で差があり、白人は肺、アジア人は直腸が多くなります。30代~60代が比較的多い病気です。
原因、症状
原因ははっきりしません。なので、予防もはっきりしません。症状としては、セロトニンやヒスタミン等のホルモン物質を過剰に生産し、カルチノイド症候群という症状を引き起こします。カルチノイド症候群とはホルモンの過剰生産の影響で、顔面が紅潮したり、下痢や腹部痙攣を引き起こします。(私はこの症状がありませんでした)
大腸カルチノイドは特に症状がないので、大腸カメラ検査は健康診断時にした方が良いでしょう。
ステージG1 G2 G3
ステージ | 悪性度 |
---|---|
G1 | 低い |
G2 | 中間 |
G3 | 高め |
ステージや腫瘍の大きさ、深さにより、転移する確率は上がります。腸や胃であれば、まず、リンパに転移し、肝臓などに転移する可能性があります。転移する前に切除手術がおすすめです。
転移しているかどうかの検査は、CT造影検査やMRI、オクトレオスキャン検査が有効です。
命に関わる病気?生存率
命に関わる病気です。ステージによりますが、転移すると極端に生存率が下がります。早期発見が重要です。
治療法と完治
癌と似た病気ですので、腫瘍の切除手術や腫瘍の場所、転移により、抗がん剤治療となります。癌は5年で完治などと聞きますが、専門の先生は手術をして18年経過後に転移した患者さんがいるので、完治という概念はないとのことです。手術後5年間は半年に一度の検査(CT造影検査、大腸カメラ検査)が必要です。
【体験談】カルチノイド診断される、手術と検査
健康診断で腫瘍発覚
40歳になり、今まで健康診断をしてこなかったので、オプション(脳ドック、胃カメラ、大腸カメラなど)をすべて付け、時間が掛かっても(2日間)、お金が掛かっても(約10万円)検査をしてみたところ、2日目の大腸カメラで直腸の腫瘍が大きく(1.8cm)ここでは切除ができない。カルチノイドの可能性がありと診断されました。
急いで家族に相談。専門病院がないため、内視鏡手術で有名な先生を頼って大阪へ行きました。(大阪医科大学付属病院)
病院紹介
健康診断で大腸カメラ検査をしていただいた先生に大阪の病院に紹介状を書いてもらいましたが、腫瘍は大腸カメラ検査だけでは悪性なのか、良性なのか?がわからなく、手術後病理検査でやっとわかるみたいです。健康診断時の先生は経験豊富なので、カルチノイドだとわかったみたいです。
体験談のブログが更新されていない
カルチノイドや神経内分泌腫瘍で体験談の検索しましたが、途中で止まっているブログが多く、いよいよヤバい病気なんだなと気が付きました。有名人で調べてみると、元アップルのCEOスティーブ・ジョブズや「ほんまでっか!?TV」のジャーナリストの金子さんなどが亡くなっている病気と知り、怖くなりました。
大学病院へ
急いで大阪医科大学付属病院へ行きました。やっと予約が取れ、担当の先生と初めて面談した際、手袋をした先生に突然肛門から指を入れられ驚いたのが今でも記憶に残っています。先生からカルチノイドの説明を受け、検査を始めましょう。との事で次回予約を入れましたが、この時点で3か月掛かるとは思いませんでした。
検査の繰返しの後、大きな決断
大阪医科大学付属病院はかなり大きな病院なので、検査を2回しましたが、3週間掛かりました。検査結果時に先生から「内視鏡手術で腸を切断、つなぎ合わせるのか、腫瘍だけ切除するのか」「腸を切断する場合、50%の確率で人工肛門になる」決断を迫られ、頭が真っ白になりました。
腸を切断すると転移など後に残る心配がほぼなくなりますが、人工肛門というのは一生大変になる。腫瘍だけ切除すれば不安が今後残る。難しい判断ですが、腫瘍だけ切除し、腫瘍が深い、リンパの転移がある場合は腸を切断すると決めました。(この時点では病理検査ができないので、ステージや深さはわかりません)
また検査と手術
手術は大学病院ではなく、近くの藤田胃腸科病院となりました。大学病院では内視鏡手術ですが、腫瘍のみ切除だとこの病院を紹介されました。こちらの病院の先生は大学病院にいたそうなので、繋がっているそうです。
しかし、病院が変わったので、大腸カメラ検査。これで手術前の大腸カメラ検査は4回目です。正直大変です。手術前も大腸カメラ検査と同じく、前日夜から食事を抜き、翌朝から2時間掛け2リットルの下剤を飲み、胃と腸がスカスカです。手術は無事腫瘍が取れたとのことで成功。なんと10分で終わりました。その後、2日間入院しました。直腸は痛みを感じないので、手術も入院中も痛みはありません。薬も処方されません。
やっと解放
手術後、腫瘍の病理検査をし、結果まで2週間。やっと検査結果を聞くとステージはG1、今のところ転移はないとの事でした。腫瘍の深さは微妙で、少し深いので、大学病院の先生の判断で腸を切除するのかを決めてほしいとの事で、また大学病院へ紹介状と予約。ここまでで2か月半掛かりました。最後に大学病院でG1であること、藤田胃腸科で綺麗に腫瘍が取れたとの事で解放されました。最終的に3か月掛かりました。
保険会社へ請求
がん保険の適用範囲内です。手術や入院など診断書を病院でもらい、申請しましょう。
家のローンで団信を掛けていた方はローン免除になる可能性が高いです。自分は賃貸なので、買っておけば良かったと後悔していましたが、財産より健康が大事だと今回病気で感じました。
いくらお金を積んでも病気は治りません。毎日の食事や運動が大事ですね。
半年ごとの検査
半年ごとに検査(CT造影検査)をしました。朝8時に病院、到着後受付を済ませ、採血。CT(造影検査)、毎回大きな針で血管を刺されるのが辛かったですが、慣れました。造影検査も喉から下半身まで暖かい点滴の成分?(薬)が体を通るのが気持ち悪かったです。これも慣れました。検査後、先生に診断結果を聞くのは慣れません。いつも緊張していました。
しかし、待合室では小学生くらいの子どもから70代くらいのお年寄りまで幅広く癌やカルチノイドを発症することがわかり、特に子どもは可哀そう。親御さんも辛いだろうなぁと感じていました。
5年経過
2024年7月でやっと6年。本当に長かったです。半年に一度の検査(CT造影検査)をして、毎回緊張していました。担当の先生は、今後1年に1回検査にしましょうと言われ、まだ検査は続きそうです。「いつまで!?」とも思います。
6年経過後の気持ち
この病気は原因がわからない予防もできない。しかし直腸に私は腫瘍ができたので、やはり食事が関係すると思い無添加生活を始めました。お酒を飲むのもやめました。病気発覚後から5年が経過できたのは喜ばしく思います。この体験を今まさにカルチノイド診断された方やその家族の方が見て少しでも安心していただければと思います。